特色のある取り組み

様々な実習プログラム


 医学知識だけではなく、医療従事者として望ましい態度を自ら考え、修得してもらえるように、低学年次から様々な実習プログラムを実施しています。


【1年次】

◆シミュレーション演習

医療現場で遭遇する様々な状況をシミュレーションで再現して、実際に患者や家族と関わる医師としての知識・技術・態度を学習する。


◆外来患者付き添い実習

患者やその家族の心を察し、良医になるためのモチベーションを維持し、より高めるために、外来患者さんと病院内で共に行動し、コミュニケーションを図る。

 

【2年次】

◆体験学習(国立療養所沖縄愛楽園、療養型高齢者施設)

早期体験学習の一環として、各施設において、指導者の元で見学、業務補助等に参加する。

 

【3年次】

◆離島地域病院実習(約5日間)

離島地域中核病院での実習を通じ、離島地域医療の現状・実態を把握するとともに、重要性を理解する。

 

【6年次】

◆離島クリクラ(離島診療所実習)

  臨床実習の後半実習(クリクラ)にて、離島診療所での実習を希望する学生数名を派遣

  し、離島医療を実体験し、生の声を知ると共に、将来の医師像の参考とする。

 

◆海外大学短期留学

  臨床実習の後半実習(クリクラ)にて、協定海外大学(現在5大学)での臨床実習を

  希望する学生を選抜し、約1か月間、海外の医療の現状を学ぶ、将来に結び付ける。


地域枠学生の教育


「琉球大学の存在意義は何か、沖縄としての特色、強みは何か」を明確にし、教育、研究体制の改革を進めるうえで、島しょ県沖縄の地域医療を充実させるため、平成21年度から沖縄県と協力して沖縄県出身の学生を「地域枠」として医学科に受け入れ、離島医療実習を含む地域医療教育に力を入れています。沖縄県の置かれた自然、地理及び歴史的特性をふまえ、島しょ環境に由来する困難な地域保健医療の充実や地域特性に根ざした医学・医療の課題解決に努めるとともに、医師不足の地域あるいは診療科の偏在などから明らかになってきた緊急医師確保対策として「地域枠」学生の定員を増やし、地域医療に貢献できる人材を育成しています。
そのためには、地域枠学生への教育として、地域医療の本質や実態を学生に伝え、地域医療の抱える問題を自分達で考え、さらに解決するための発案ができる学生を育成していくことが大切であると考えています。
 地域枠学生1年次を対象として、平成23年度に東日本大震災の被災地(岩手県・宮城県)を訪問し、被災地における地域医療の現状を体験学習しました。平成24年度には地域医療で有名な長野県の佐久総合病院見学実習も行いました。平成25年度は、長崎県にて離島である五島と平戸の地域診療見学を行いました。平成26年度は富山大学関連施設、平成27年度は高知県(高知大学、各地の診療所)、平成28年度は岡山県(岡山大学、哲西町立診療所)、平成29年度は福井県(福井大学、名田庄診療所)、平成30年度は香川県(綾上診療所、陶病院)にて非常に有意義な実習・交流をさせて頂きました。残念ながら、令和元年度から令和3年度は新型コロナウイルス感染症流行のため中止となっています。

 沖縄県は、多数の離島を抱えています。地域・離島の医療を安定化・発展させ、住民の健康と生活を守ることは、本学医学部医学科に課せられた使命です。そのためには、地域医療の本質や実態を学生に伝え、地域医療の抱える問題を自分達で考え、さらに解決するための発案ができる人材を育成していくことが大切であると考えています。
 そこで、地域医療教育を充実させるとともに、沖縄県と協力し、地域医療を担う医師を増やす対策として、毎年、地域枠学生を12名受け入れ、地域医療教育、実習の発展に努めています。また以前より毎年、4年次全員を対象に沖縄県立八重山病院・宮古病院・北部病院、公立久米島病院、北部地区医師会病院にて離島地域病院実習を行っています。